ご本人ではなく息子さんからご相談いただきました。
息子さんといってももう40代後半、ご本人は70代の年金受給者でした。
50代で新築マンションを購入、その当時は勤務先の経営状況が悪くなるとは検討もつかなかった頃でしたが、次第に状況が悪くなり店舗数も縮小し、ボーナスも無くなり、毎月の給与も手当てを削られましたが、まだ住宅ローンの支払いは問題なく支払いもできていました。
住宅ローンは住宅金融公庫のゆとり返済と言われる11年目以降の返済額の増えるものでした。
勤務先の状況はますます悪くなり、定年までは勤務できましたが、その後の勤務延長(嘱託制度による)は叶わず、定年退職という形になりました。勤務先からはわずかですが退職金も支払われました。
但し、毎月の返済はなくなりません。
ご本人も正社員としての再就職は難しいためアルバイトを探し、奥様もパートを探して働きに出るようになりました。
ですが、アルバイトとパートの収入では住宅ローンの返済はなんとかできたとしても生活費までは回らない状態が続きました。
そこで、クレジットカードに付帯しているカードローンに今回だけと手をつけてしまったのです。
使ってみると便利なため、度々利用してしまい、今度はこちらの返済もしなくてはなりませんでした。
こうなると、もうどうにもなりません。
生活はしなくちゃいけないですし、キャッシュカードのように便利なため、生活費としてどんどん借入していくようになってしまいました。
今までご夫婦のみであれこれやってこられたので、子供たち等、他の誰にも相談されておりませんでしたが、奥様がパートで働きに出られる等の今までの状況とは違う様子に別にお住まいであれ、お子様方が気付かれたのです。それで、私共にご相談いただけました。
ご相談いただいた時には既に2か月分ローンが遅れておりました。
早急に対応し、金融機関・保証会社からの通知に備えました。状況を説明し任意で自宅を売却し返済する旨を伝え、売却をスタートしました。
売却期間はおよそ3か月位かかり、ようやくお客様が見つかりました。
引渡しも通常の取引と何ら変わらず1ヶ月半いただけ、その期間でお引越先を探しました。
勿論お引越先まで、私共でお世話させていただきます。
ご年齢が高齢ということもあり、賃貸物件探しも大変でした。
年齢だけで断られたり、家賃保証会社の年齢制限が70歳までだったりで、かなり苦労しました。
ですが、いい大家さんに当たり、無地にお引越先も見つかり、お住み替えすることができました。
売却後にローン返済するも、残債は残りました。
自宅売却後、大部分のローンは返済できたのですが、一部返済は残りました。
平成10年位までの物件もしくは頭金なしで購入された方はどうしても残債が残ってしまうでしょう。
この残った残債についてもアドバイスできます。
但し債権者とはやり取りができないため(私共にはその権利がないため)、必要なら(と思われたら)弁護士さんを紹介いたします。
特に今回は住宅ローン以外の借入もいくつかあったため、弁護士さんを紹介しました。
但し、今回のご相談者様は自己破産はされなかったようです。
「借りたものは出来る限り返さなきゃ」という思いが強かったのだと思われます。
今では毎年年賀状をいただき、お元気にされています。